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「星空の番人ったってェ、舵を手放す夜もねェとなァ」
やや高所に位置する洞窟に自慢の船を寄せて、男は得意げに口角を上げる。
蓄えられた己の顎鬚を、無骨で大きな手で包むように摩ってみせては、今もなお不動として輝きを放ち続けるひとつの星を仰ぎ見る。
時折揺らぐような瞬きには、返答など聞き出せるはずもなく——男はやれやれとわざとらしくため息をついた。
「聞いちゃァいねェなら仕方ねェ——今日もここで、テメェの肩代わりをしてやらァ」
黒光りするレザーのトライコーンを深く被り直す男の方の手には、上物のワインボトルがひとつ。
その喉からは、最早辛抱ならぬとばかりにくつくつと、それは愉し気な音が響くのだった——。
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北極星はあなたです。海賊気分で夜の海をお楽しみください。
(塒は「ねぐら」と読むらしいです)





































